お酒に酔ったふりをして、私の彼を狙う女 由里苑先生

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由里苑先生お酒に酔ったふりをして、私の彼を狙う女

東京都東大和市 砂川麻里奈さん 27歳

婚約者について気懸かりなことが生じ、由里苑先生にご相談しました。それまで占い師に相談したという経験はほとんどなかったのですが、その方面の知識に長けた義理の妹に、「恵心の由里苑さんという霊能者に相談すれば、大抵のことは解決してもらえる」と奨められ、正直なところ、半信半疑で鑑定を申し込みました。義妹の話ではタロットや四柱推命といった普通の占いの方法で見るのではなく、霊感や透視などの特殊能力を使って現状と相手の気持ちを把握するので、物事のリアルな進行状況が手に取るように分かる。とくに恋愛問題や対人関係のトラブルを解決するのに非常に役立つとのことでした。

鑑定が始まって驚いたのは、こちらが説明するよりも早く、先生の方からこちらの心情や状況を次々と言い当てることでした。まずあいさつするなり、「嫉妬がらみの恋愛の悩みではないですか?そういう波動を強く感じますので」と言われ、しばらくは次の言葉が出てきませんでした。私が婚約している身であることや、その婚約者とはお互いいつも近い場所にいること、さらに彼に第三者の女性の影が近づいていることなど、全部当てられてしまったのです。一瞬、私についての個人情報を事前に知ったのではないかとも疑いましたが、たまたま指名してきた相談客のことを前もって調べることなど絶対に不可能です。この時点で正真正銘の霊能者であると納得しました。

私と彼は同じ職場で出会い、お付き合いを深めて婚約に至りました。しかし職場恋愛をあまり好ましく思わない社風のために、公言することを避けていたのです。私たちが婚約したことを知っているのは、彼の直属の上司と私の部署の同僚数名だけ。いざ式を挙げる段になってから事後承諾の形で、会社へ報告すれば済むと考えていたんです。でもそんな配慮が裏目に出てしまったのが今回の出来事でした。

金曜日の夜、私が勤めている部署と彼の部署の合同飲み会がありました。会場の居酒屋さんには総勢20人くらいが集まり、2人のテーブルはちょっと離れていたので、最初は彼の様子がよく見えない状態だったのですが、やがてお酒が進んで気の合う同士での席替えなどが始まると、いきなりとんでもない光景が目に入ったのです。

それは和室の畳にあぐらをかいた彼の胸にしなだれかかり、甘えるような仕草をしている若い女性の姿でした。私たちの事情を知る同僚がすぐにこちらの顔色に気づき、「あの子は酔うと、誰にでもああやってふざけるんだよ。どうか気にしないで」と耳打ちをしてきました。相手は彼のいる部署に最近異動してきたばかりの女の子とのことでした。

もちろん彼も私が見ていることを分かっていて、必死で女の子を押し止めようとしていたのですが、追い払うたびにまたくっつくということを繰り返すという正視できない状況が続き、とうとう堪忍袋の緒が切れました。いくら冗談でも度が過ぎている!あまりに気分が悪くて耐えられなくなり、物陰で必死に引き留めてきた彼の手を振り払うとそのまま店を飛び出してしまいました。深夜になり、彼からまた電話をもらってようやく気持ちが静まってきたのですが、この先、あの女の子が自分の婚約者とデスクを並べて働くことを思うと、心中穏やかではありませんでした。

「つまりあなたは、その女性が彼を狙っているのではないか、と疑っているわけですね?」鑑定の際、由里苑先生にそう問い掛けられて、私は「そうです」と答えました。「あれは酔って正体をなくしているんじゃなくて、獲物を狙う女の目でした。婚約していることを告げればさすがに諦めるとは思うのですが、さっきお話ししたような事情があってあまり話を広げたくないんです。だからどうすれば良いか助言をいただきたくて」そんな感じでこちらの思いを一通り告げると、さっそく本格的な鑑定に入りました。そして……。「今、その女性の意識とのチャンネルが合いました。うーん、本心が読みにくいタイプの人ですね」先生はそんな言葉をつぶやきながら、問題の女の子に絞って霊視を続けてくれたのですが、やがて予想の上を行く事実が明らかになったのです。「ああ、この人、全て承知の上でやっていますね。確信犯です」

あまりのことに愕然としました。先方は彼が婚約していることを知った上で、あえて誘惑にかかっているというのです。先生の助言はさらに続きました。「このことは彼にもきちんと伝えておいてください。どんな状況であっても、この女性とは絶対に2人きりにならないように、と。それから彼の部署で働く人の中に、あなたと仲の良い同僚などはいらっしゃいますか」「同期で入って今でも交流のある子が1人います」「ぜひ、その人を味方につけてください。社内婚約していることを正直に話して、問題の女性の行動をそれとなく見張ってもらうんです。彼の方は自分が監視されているようで決して良い気分ではないでしょうから、その辺は適当にごまかして」

由里苑先生に言われた通りのことをさっそく実行に移したところ、つい先日、スパイしてもらっている子から最初の報告がありました。「言われて注意していたらさ、彼女、仕事中も麻里奈の彼氏のこと、チラチラ見ているって分かった。これ、マジでヤバイと思うよ。会社に気を遣うのもたいがいにして、あの子と直接対決しちゃった方が良いんじゃない?」と真顔で忠告されてしまいました。

先生は「彼が裏切ることはまずない」と言ってくれているのですが、こちらは相談した当初とはだいぶ気持ちが変わり、この際、きっちり話を付けた方が良いと思うようになりました。時期を見計らってまた鑑定を申込み、最終的にどうするかを決めるつもりです。

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